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洗足池公園:大田区(東京オアシスウォーク)

世界有数の大都市である東京は、大小さまざまな個性ある公園が至るところに存在する「水と緑の街」でもあります。東京オアシスウォーク-23区の森散歩」では、23区内に点在する都会のオアシス、緑の癒しスポットを紹介しています。

中原街道沿いを田園調布方面から、環状7号線との交差点に向かっていると、ロードサイドに立ち並ぶマンションや商業ビルの雑多な景色が一変し、突然、大きな空と湖が視界に飛び込んでくる。

場所は大田区南千束(せんぞく)。一説によると、かの日蓮聖人が足を洗ったとされることから、転じて「洗足池」と呼ばれるようになったらしい。

大きな湖とその周辺の緑が織りなす風光明媚な景色は、あの勝海舟もいたく気に入り、本宅とは別に、茅葺き屋根の風情ある「洗足軒」として居を構え、晩年まで暮らした。

その洗足軒は、戦後まもなく焼失。旧宅跡地には現在大田区大森第六中学校がある。すぐ近くには、勝海舟夫妻のお墓、その隣地には、旧清明文庫→鳳凰閣→と変遷を辿った勝海舟記念館がある。

また周囲には、勝の江戸城無血入城の会見相手である、西郷隆盛の碑も。

改めて公園に目を向ける。横たわる、縹渺とした水面が美しい。晴れた日は空の青さと相まってその美しさが際立つ。

池にはスワンボート、足漕ぎボート、手漕ぎボートがある。1時間は余裕で乗っていられる広さ。時間があるなら、ぜひ1時間コースで。池をぐるっと一周するもよし、池のほとりに止めてぼーっとするもよし。

園内をひと周りする道には、至る所にベンチが設置されていて、お昼を食べたり、絵を描いていたりと、みな思い思いに過ごしている。

東急池上線、洗足池駅改札を出てすぐの横断歩道を渡り徒歩10秒。駅近公園の中でも、際立って規模の大きな公園である。