「ドロップインは、森鴎外の両軸の生き方が指標だった」(田原総一朗さん/ジャーナリスト)インタビュー

出会いが人を形作るなら、本との邂逅もまた人生の大きな節目となる…。読書遍歴を辿りながら、ここでしか聞けない話も飛び出す(かもしれない)インタビューシリーズ「ほんとのはなし」。今回はジャーナリスト、田原総一朗さんの登場です。

(インタビュー・文 沖中幸太郎)

プロフィール
1934年4月15日 近江商人の末裔として滋賀県彦根市に生まれる。テレビ東京のディレクター、映画監督の経験を経て、ジャーナリスト、評論家、ニュースキャスターに。現在、早稲田大学特命教授として大学院で講義をするほか、「大隈塾」塾頭も務める。「朝まで生テレビ!」「激論!クロスファイア」の司会をはじめ、テレビ・ラジオの出演多数。鋭い眼差しとは裏腹に政治経済からバラエティ番組に至るまで幅広く活躍する。twitter上の発言が社会現象になるほど強い影響力を持つ。

もともと作家志望で高校、大学と小説を読むことにのめり込んでいた。日本の作家はもちろん、海外のものまで何百冊と読んできた。その中でも、非常に影響を受けた作家が森鴎外だった。鴎外の両軸の人生を、自身の生き方の指標とした。

「軍医としての地に足の着いた生活と、ラジカルな書き手、作家という相反する顔を併せ持つ生き方にあこがれたんです。ドロップアウト(辞める)ではなく、ドロップイン=組織の中にいても、手前勝手なことをやる、これをやりたかった」。

テレビ東京のディレクター時代には、2度逮捕されながらも、視聴者に何が求められているかを考えオンエアを強行した。

「視聴率と話題、スポンサー、どれを欠いても良い番組は作れないんです」。

三者のバランスをギリギリまで探りながら、番組づくり、映画監督、そしてジャーナリストと、組織の中から型破りの発信をするのが、「田原式ドロップインの生き方」である。