唯一無二の仕事を切り拓く12人の物語、発売中

旨味と香り、口中に広がる義経焼(なみかた羊肉店めえちゃん食堂)

山形駅近くで午前中の仕事を終え、東京への帰路、米沢駅で途中下車。

目的は、米沢市民のソウルフードと言われる「義経焼き」を食すため。

駅ホームで米沢牛の等身大オブジェが出迎えてくれる。「牛肉ど真ん中、駅弁」の巨大看板を尻目に、今日のお目当て、米沢のらむちゃんの元に向かう。

米沢藩祖、直江兼続公の「愛」と「義」のペナントがはためくロータリーを左に曲がって、まっすぐ5分。『なみかた羊肉店めえちゃん食堂』に到着。

一階が肉屋、食堂は二階。扉を開けた瞬間、すぐに羊の香りがした。

真ん中のカウンター席に腰を下ろし、読んでるだけで楽しくなるメニューを広げる。

…この時間が好き。

メニューは、

米沢市民のソウルフード
義経焼

地物(国産)

牛若丸(生ラム)

義経焼(冷凍ラム)

肉にこだわる
成吉思汗

地物
テムジン
マトン

愛盛り三種

追加肉
ロース
テムジン
ショルダー
マトン

ラムたん塩

義経焼きの基本は、冷凍ラムを使った1200円から、牛若丸(生ラム)、地物(国産)とランクが上がるにつれて、たったの300円ずつアップする。

地物は同店経営の牧場で育った羊肉とのこと。

ここは地物「義経焼き」の一本勝負。

料理が運ばれてくる間に「うんめぇ〜義経焼の焼き方」を読んで備える。

「免許皆伝、達人への道」には、焼き方、火加減、肉をほぐす”魔法の水”を注ぐタイミング、量などが記されている。

地物の義経焼セットは、お新香、野菜、味噌に絡まった羊肉、焼くときにかける「魔法の水」、お好みで付ける辛味噌。

ジンギスカン鍋に肉をのせると、すぐに羊の香りが広がる。魔法の水をひとかけする。すぐに羊の赤味がキツネ色に変わるので、焦げないうちに火を消す。

焼きあがったタイミングで、ご飯と味噌汁が運ばれてきた。

まずはそのまま肉だけを頬張る。滲み出た甘みのある脂と味噌の調和と、広がる国産の羊肉の旨み。

さらに米と絡めることで、肉のうま味が一段と明確に。

米が肉のチェイサーと化し、羊肉200グラム、野菜150グラムはすぐに消滅。

羊のメニューは他にも食べきれないほど。大人数ででも行かない限り、すべての羊メニューをその日のうちに制覇することはできそうにない。そこに楽しみと後ろ髪引かれる想いが混在する。

また訪れたい。