あの、とんかつ専門チェーン『かつや』(を運営するグループ)が、ついに羊の世界に進出した。とことんラムにこだわったという新業態店舗は、その名も『東京ひつじ食堂』。
シン・町中華とも言うべき新たな羊勢力の勃興に、荒ぶる鼻息をマスクの下で抑えつつ、期待に胸を膨らませて向かうと、気づけば開店初日の一番乗り。
事前情報によると、メインとなる麺料理は、「白ひつじ塩そば」「黒ひつじ坦々麺」「赤ひつじ麻辣麺」の三種類。
ところが、店の前にいたスーツ姿の関係者の方にメニューチラシをもらって驚く。
(ひつじ羊ひつじ羊…)
麺類は上記3種類だけでなく、
- ひつじ醤油そば
- ひつじ排骨麺
- ひつじ野菜タンメン
- ひつじ四川麻婆麺
- ひつじ肉味噌の麻辣混ぜ麺
ごはんものは、
- 白ひつじ炒飯
- 赤ひつじ炒飯
- ひつじ魯肉飯
おつまみに、
- 口水羊(よだれ羊)
- 羊肉葱炒め
- 羊肉餃子(焼き、水)
- 羊肉回鍋肉
- 羊肉と山芋の黒酢あん
- 羊肉四川麻婆豆腐
と、怒涛の羊づくし。
肉味噌の肉にもラムを使用した「黒ひつじ坦々麺」や、火鍋を彷彿とさせるスープによく絡む平打ち麺の「赤ひつじ麻辣麺」も気になりましたが、今回はじっくり煮込まれた滋味あふれる「羊骨」スープをダイレクトに感じるべく「白ひつじ塩そば」を選択。
60度で3時間、低温調理されたラムチャーシューがデフォルトで2枚乗っかります。追加でチャーシュートッピングも可能。
羊好きにとって「食べやすい」は、少々心許ないワードだったりするわけですが、そこは心配無用。上品かつ、しっかりスープに羊が溶け出した濃厚な一品でした。
ラムチョップは塩味、タレ味、自家製スパイスの3種類。そのほか、煮たまごや香菜(パクチー)もトッピングできます。
ジューシーさの秘密は、250度の熱で4分半蒸す調理法とのこと。パサパサ感ゼロ。
水餃子は、肉が透けて見えるほどの薄めの皮。手作りの羊ソーセージを食べているような歯応え。
モンゴル料理のボーズや、ジョージア(旧グルジア)のヒンカリに共通する包み系羊料理はシルクロードの味わい。
大手チェーンによる「羊」の取り扱いは年々活発になってきていますが、ここまで「とことんラム」が堪能できるのは嬉しい限り。
一部のガチ中華(向こうの人が経営する中華料理店)で見られる延辺スタイルの羊肉串(ヤンロンチュアン)や、ウズベキスタンやウイグルなど中央アジアでポピュラーな麺料理ラグマンが、羊肉料理の「次の定番」として登場するのはもう時間の問題かもしれません。
怒涛の羊料理が味わえる「東京ひつじ食堂」。ごちそうさまでした。
店舗名 東京ひつじ食堂 学芸大学店
所在地 東京都目黒区鷹番2-16-18 Kビルディング1階
営業時間 11:00~23:00 (まん延防止等重点措置期間中 11:00~20:00)
席数 26席
※東急東横線「学芸大学駅」東口を出て、まっすぐ一本道をゆっくり歩いて徒歩2分。右手に見えます。