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わが家の客人〜ある詐欺師との一夜〜

最近、自分の履歴をまとめる機会があり、ある夜の出来事を思い出したので書いておこうと思います。

まだ鹿児島の新聞社で広告営業でバリバリ働いていた頃のこと。


季節は冬。はじめてのボーナスをもらった日で、一人暮らしで使い途もなく(ほとんどは親への学費返済と酒に消えました)、会社帰りに大好きなラーメン屋さんへ向かっていたんです。


「いつものみそラーメンにチャーシューを追加しちゃおう」と考えながら自転車を漕いでいると、

「あのう」と、耳元に幸薄そうなか細い声が一瞬聞こえました。


急いでいたので、気づいて振り返った時には、だいぶ後ろの方に。中年らしき男性が、こちらを向いてぽつんと立っていまして。確かに、僕に声をかけたようです。


気になったので、その方のところまで戻ると


「この近くに、屋根があって泊まれる場所は無いか」と尋ねられました。


(こざっぱりした感じで、旅行者でもないし……。)


質問とは別の意図が何かあるなと感じたのと、暇だったので、一緒に温かいみそラーメン(チャーシュー付き)を食べながら話を聞くことにしました。


屋久島に住まいがあるというこの男性は(名前貰ったのに忘れました)、肺病の治療(完治後で今回は定期的な経過観察?)で、高台にある大きな病院にいたのですが、思ったより診療時間が押してしまい島に帰れなくなったと言うのです。


「だったらうちに泊まっていけばいい」


アヤシイと思いつつも、一人暮らしの気軽さから、軽いノリでお誘いすると、彼は困惑しつつもお礼を言い、店を出て一緒にコンビニでお酒とつまみを買い込みました。←考えたらこの時点でオカシイ笑。


自宅で初対面の男二人(正確には社会人2年目と推定詐欺師)の飲み会でしたが、身の上話とかしているうちに、
「あなたが優しいのは、おかあさんのおかげですね」と言われまして。


冗談じゃない、ウチの母は気分で怒るし、割とメチャクチャです。(インタビュー記事のダメ出しをLINEや電話やSkypeでしてくれたりもしますが。)


「それは関係ないですよ」と反論すると、強い口調で

「いや、絶対そうだ」と。


絶対に、という彼(推定詐欺師)の語気から


「今の自分の状況(俺が詐欺師なの)は、親のせいなのだ!絶対に!」という彼の意識下のメッセージを感じました。

その時点で「俺、詐欺師だよ」と告白されたわけではないのですが。


まあ、それからは平和に時間が過ぎ、風呂に入ってもらって地べたに寝てもらい、僕は風呂に入らず、こっそり枕の下に自分のサイフをおいて寝ました。


翌日、「(安いフェリーではなく)やっぱり高速船で帰りたい」と帰宅にかかる費用を加算請求されましたが、
昨晩、詐欺師であろう彼から一瞬の“本音”を聞けたので、まぁだめなら授業料だと思い、一万数千円を渡しました。

案の定というか、結局お金は返ってきませんでした。


その後も、家に見知らぬ他人を泊めちゃうクセはおさまらず、たまたま知り合ったフランス人兄弟や旅行中のカナダ人カップルを泊めたりしていたのですが、それが「外国人ガイドをしている」と勘違いされ、知り合いのタイ人の東京案内に繋がるのですが、その時僕と一緒にアテンドしてくれた人が今の妻で、そうなると寄り道もムダではないと、最初のきっかけとなったその詐欺師にも、少しは感謝?しないといけないのかもしれません。


にしても、その詐欺師(確定)の彼。酒が苦手だというのに、ヒマな男に一晩も付き合わされて割の合わないシゴトだったと思います。


おわり