話題のインタビューを発信する新カテゴリー「X TREND」が登場!(7/01)

三好康之さん(株式会社エムズネット代表取締役)「マルチタスクで生きる」インタビュー

株式会社エムズネットの代表取締役である三好康之さんは、企業のIT導入のためのコンサルティングや、システム開発に関する研修事業のほか、高いシェアを誇る情報処理技術者試験の教材や、システムエンジニアの働き方を提言する本を執筆しています。三好さんに起業のきっかけ、教材の制作秘話、提唱する「マルチタスク」な働き方などについて伺いました。

こんな話をしています……

・イチローが大リーグに行くというニュースを聞いて、「僕も(会社を)辞めよう」と思った

・あえてひとつのことに集中せずに同じ時間に複数のことをこなす「マルチタスク的」な行動が必要

・勉強をやめた段階で知識が劣化するので怖い時代ではあるんですけど、勉強し続けている人っていうのは、結構自由に、幸せに暮らしている

三好康之(みよし・やすゆき)氏プロフィール ※インタビュー当時

1965年生まれ。関西学院大学経済学部卒業。IT企業でSEおよび営業職を経験し、21世紀の始まりともに独立して株式会社エムズネットを設立。情報処理技術者試験において全区分制覇(累計25回合格、うち高度系20回合格)していることで有名。現在はコンサルタントとして活躍する一方、数々のIT資格対策書を執筆し人気を博している。著書に『情報処理教科書プロジェクトマネージャ』(翔泳社)などがある。2013年には、敬愛すべき乃木坂46にちなんで、企業の枠を超えたITのプロ集団ITのプロ46(https://www.itpro46.org/)を立ち上げ、主宰を務めている。

「給料を倍にするか、副業を認めるか」

――もともとはIT企業でSE(システムエンジニア)をされていたそうですが、起業のきっかけはどのようなことだったのでしょうか?

三好康之氏: 僕の経歴はちょっとややこしいんですけど、前の会社にいる時に創業しているんです。平成元年にIT企業にプログラマーとして入って、SEになって、その後、営業に志願していかせてもらったり、今話題になっているセキュリティーの部署を立ち上げたりしたのですが、営業をやっている時に、コンサルティングの仕事が増えてきたんです。

それで「コンサルタントとして独立したいから会社を辞めたい」といったら、当時の上司から「ちょっと待ってほしい。会社に残る条件はあるか」と聞かれたので、「給料を倍にするか、副業を認めるか」という条件を出したんです。資格を取ったり、仕事もそこそこできていたので、わがままに育っていたんですね(笑)。それで、いろいろ社内で話し合ってもらって、最終的に「副業を認める」ということになったんです。

土日にコンサルタントとして営業しだすと、お客さんが結構ついてくれました。ただ、月曜日から金曜日までの会社のお客さんに対して、土日コンサルティングに行ったりもしていたんですね。もちろん合法の範囲内ですよ。競業避止義務など、法律についてもきちんと調べて問題ない範囲でやっていましたし、上司にも逐一報告していたので。

ただ、そういう事実を知らない営業の先輩から「どうなっているんだ」という話が出てきたこともあって、23年で回らなくなってきて「さすがに潮時かな」と思うようになったんです。それが、2001年です。ちょうどイチローが大リーグに行くというニュースを聞いて、「僕も(会社を)辞めよう」と思ったのを覚えています。

今の仕事はきれいに3分の1ずつ分けています。1つ目が執筆、2つ目が一般企業向けにコンピューターをどうやって導入するかというITコンサルタント、3つ目がIT企業への研修事業です。リスク分散させることが最大の狙いなのですが、これにより、IT企業の最新情報や、お客様(コンピュータを利用する企業)のニーズを把握できる…、つまり、情報の鮮度を保つことができるという効果も狙っているんですね。

執筆は家で、コンサルは大阪でしますね。研修は東京が主です。時間的な割合で言うと、平均的には、週7日のうち、自宅で作業が4日、大阪で外出1日、東京出張が2日でしょうか。東京は好きなのでもっと行きたいのですが、ホテルで泊まるのが嫌いなんです。お化けが怖いから(笑)。でも週に12回が良いですよね東京は。この頻度だったら、買い出しみたいな気分で東京に来れますし(笑)。

あと結構自宅にいる時間が多いのですが、実はいまだに嫁さんと娘は、僕が何の仕事をやっているのか知らないんですよ。嫁さんはうすうす感づいているかもしれませんが、家では仕事の話は一切しないですからね。向こうも仕事の話はわからないし、面白くないからしません。収入は定期的に家に入れているので、それが滞らない限り一切干渉はないんです。僕に興味がないのかも(笑)。

ただね、興味深いのは、娘たちがほんといい子に育っているんですよ。今、中学2年生と小学5年生の姉妹がいるんですが、長女が小学校6年ぐらいからかな。ある日突然、「私もがんばる」って言い出して、お金を使わなくなったんですね。どうやら、僕が常に家にいるから、友達に「お父さん仕事してないんじゃないかな」っていわれたみたいで(笑)。

さらに「お父さんに聞いたらあかんで、かわいそうだから」って口止めまでされていたそうです(笑)。 それからは、欲しいものとか、わがままもいわなくなりましたよ。僕も調子に乗って、「お父さん何をしているの?」って聞かれると「どっかにええ仕事ないかな?」とか冗談をいっていたら、素直に育ちましたね(笑)。確かに不安になりますよね。学校行く時僕が見送って、帰ってきたら僕がいつも玄関まで「おかえり~」って迎えに行くんですから。

――今回のインタビューを娘さんが読んだらびっくりしますね。

三好康之氏: 最近ちょっとインターネットを使うようになって、僕の名前を検索したみたいで、「パパって社長やんね?」って聞かれるようになりました(笑)。不安を払いたいんでしょうね。まぁ、あまり安心させてもあれなんで、「まあまあ一応形だけはな」とかお茶を濁しています。他には「パパ、本を出しているの?」とかも聞いてきたりするようになりましたけど、「まあまあ、あれはどうにでもなるからな」っていって、そっちもごまかしています(笑)。 

この間、中学生になる長女と二人っきりで名古屋に乃木坂46のコンサートに行ったんですけど、何の違和感もなかったですね。娘は出張とかにも一緒についていきたいっていつもいいますし。東京が好きなんでしょうけど、僕と一緒にいてもあんまり苦じゃないことは確かです。家でも、車の中でもずっとしゃべっていますから。最近だと、学校の友達との人間関係について話し合いました。「みんなはアニメで盛り上がっているけど、乃木坂の話題が学校で出せないから、パパしか聞いてくれない」といって、二人で盛り上がっています。 

良好な関係を築く秘訣はとか聞かれますけど、それは間違いなく時間だと思いますね。普通の人は外で仕事していて、平日は会話をしないでしょう。うちは常にお父さんがいますからね。ただ、娘の友達が家に来る時は、「パパ、ちょっとどっかにいっといて」っていわれます。「お父さんがうちにおるのおかしいから」って(笑)。

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